この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~

「俺は、蒼のマネージャーの原田です」

「はあ」と間抜けな返事をする葵。
マネージャーという役職の人なのだろうか?
マネージャーと名乗る様な職業の人と知り合った事がない。

「取りあえず、きみを家まで送るので住所を教えてもらえるか?」

「…。」初めてあったばかりの人に住所を教えるのを戸惑う。

「そのビショビショの格好じゃ電車どころかタクシーにも乗せてもらえない」とそこまで言われたら教えるしかない。

葵は住所を告げるのだった。


そして、状況説明をした後から黙っている蒼。

横からずっと葵を見ている。さっきから、葵も視線は感じている。

そして、
「きみの名前を教えて?」と突然喋り掛けられる。

「えっ?…。結城葵です」と小声で名乗った。

「「あおい??」」マネージャーと蒼は驚く。

蒼の存在に気づいている割には、騒がないし見ない。不思議に思っていたが、やっとわかった。『あおい』と同じ名前に驚いていただけだ。

当たり前の様に気づかれていると思ってしていた会話。

彼女はきっと蒼を知らないと確信した。

まさか、知らないとは…。