「まぁ今は小さい女の子の方が可愛いと思いますけどね。
それに私は男の人も身長とか関係ないと思いますし」
「そうかぁ?俺はちーせ女よりちょっと背の高い女の方がいいと思うけど。
タレントとかでも小さいので売ってるぶりっ子とか大ッ嫌いだし!」
自分で言っておいて、何故か顔を真っ赤にさせる。青になったり赤になったりやっぱり忙しい人だ。
「別にお前がいいとか言ってる訳じゃねぇけどな!そこは勘違いすんな!」
真っ赤になって大慌てで否定する姫岡さんは、美しい顔立ちとは対称的に可愛らしい所がある人だと思う。
「それにお前は身長の事よりもっと胸の心配をした方がいい。
今時Bカップなんて、最近は小学生でももっとあると思うぞ」
調子に乗って声高らかに笑いだすこいつをぶん殴りたい。
何かにハッと気づき、姫岡さんは両手をぶんぶん振って焦りながら弁解を始めた。
「ち、違う!洗濯機が共有なのが悪い!
たまたまピンクのブラジャーが干してあったから、別に見るつもりなんかじゃ…」
「な、何が洗濯機が共有なのが悪いよ!サイッテー!女の子の洗濯物を見るなんて!
この変態が!」
「へ、へ、変態…?!この俺が……」
何故かショックを受けたようにその場で石のように凍り付く。
バンッと乱暴に食器をキッチンへ持っていくと、まだ姫岡さんはその場で固まってひとりでブツブツと何かを言っていた。
たく、もう。まさか大人気イケメン俳優の姫岡真央がこんな奴だとは、世間は夢にも思いやしないだろう。
口が悪くて態度も大きい。容姿端麗なのにその美しい顔はコロコロと表情を変える。



