瑠璃さんは整形だって言ってたけれど30歳にはとても見えないし、顔なんて手のひらサイズなんかじゃないかってくらい小さい。

豊さんは…まだまだよく分からないけれど、お笑い芸人と言うよりかは俳優系だ。長い髪でいつも顔を隠しているけれど、相当レベルが高いんじゃないかと思う。

スタッフである坂上さんはちょっと小太りで癒し系だけど、チーフマネージャーである山之内さんは驚く程綺麗だ。

「そうなんだ。もっと賑やかなもんだと思ってた。
姫岡さんってやっぱりかっこいいんでしょ?!どんな性格なの?」

どんなって……。

確かに顔はハッとしてしまう程美しい。女の私より数段綺麗な顔立ちをしている。とても同じ人間とは思えない程。

けれど性格は……きっとりっちゃんが思う人物とはかけ離れているだろう。けれど私は立場上彼らの情報を表に漏らしてはいけないのだ。

「まぁ普通の人だと思うけど」

「羨ましいー!!あんなに売れっ子なのに事務所の寮で暮らしているとかギャップもかっこいいし!」

電話口でりっちゃんは楽しそうにキャーキャー騒いでいた。
本当の姫岡さんの姿を知ったら幻滅するに違いない。

しっかしさっきの顔は傑作だった。あの姫岡真央が雑貨屋さんかなんかに買い物にわざわざ行って、キリン柄のエプロンを買ってくる。

それを知られたらあんなに顔を真っ赤にして。

「ぷっ」

「何よー思い出し笑いなんかしちゃってー。何か良い事あったのぉ~?」

「ないない。何もない。」

「変な静綺」