【完】スキャンダル・ヒロイン


気を取り直して、山之内さんに仕事内容を詳しく聞いた。

さっきの姫岡さんが言った通りこのおんぼろ寮で数人しか人がいない場所で、私は余り必要ないと思ったのだが。

私がする仕事は、どうやら朝夕のご飯作りだけではなかったらしい。まぁ世の中そう上手く高時給の仕事なんて無い訳だけど。


近くのスーパーまで数日分の食料を買いに行ってから、全く片付けられていない寮内を掃除する事になった。馬鹿みたいにデカいけれど、掃除の全く行き届いていない空間は暮らしているだけで憂鬱になる。

つまりは私はこの馬鹿でかい建物を管理するお手伝いさんと言った所か…。

そして何故か山之内さんや坂上さんから事務仕事まで押し付けられる始末だ。あぁ、やっぱり甘くなかった。


初日という事で取り合えず1階の共有スペースの掃除をし始めた。
料理を作るのが仕事だというのにさっそくエプロンを忘れてしまうドジな私。

掃除もエプロンを付けずにやる羽目になり、着てきた洋服は汚れてしまった。
明日絶対に買いに行こう。こんな汚れた寮を掃除するのだから、エプロンは必須アイテムだ。

そして、にこにこと人懐っこい笑顔を見せる瑠璃さんは私の手伝いをすると言って、邪魔をしていた。

「る、瑠璃さん!雑巾はちゃんと絞って!」

「えぇ?だって瑠璃握力ないから絞れないよぉ…」

「瑠璃さん、掃除というのは何でもかんでも物置に押し込めればいいってもんじゃなくて…。
だ、大丈夫ですから。瑠璃さんは所属タレントですから私の仕事を手伝って下さらなくても…椅子に座って休憩していてください」

「はぁ~い!」