「ちょっと、くっつかないでよ」

「なッ………。お前俺が好きなんだろう?!何だその態度は!」

「暑苦しいなぁー…もぉー……」

真央の体を両手で押しのけて、ソファーの上でクッションを抱き寄せる。
そんな私達の相変わらずな仲に呆れ顔で皆は食堂を後にする。

皆が居ないのを見計らって、真央がチュッと私の唇に自分の唇を押し当てた。
真っ赤になる私を尻目に、意地悪な視線を向ける。

「まあ、素直じゃなくて可愛げのない所も好きだけどな。
全部全部好きでたまらないけどな。
それなのにお前ときたら俺の愛を何だと思ってる!」

素直じゃない言葉の裏に隠された、とても甘い甘い感情。
今度はこちらから抱きしめてキスを贈ると、真央は真っ赤な顔をして目を見開いて驚いた。

「私もあんたとずっと一緒に居たい位好きだけどね。
意地悪な所も口の悪い所も、ちょっと馬鹿な所も
だーい好きだけどね!」

あの日、人生史上最悪の男と出会った。
そしてそんな真央と人生史上最高の恋をした。


【完結】