ぐさりと胸に刺さった言葉。
私って駄目だなぁ。気が強い癖して肝心な事はハッキリと言えなくって
そういうどっちつかずな態度が誰かを傷つける時だってある。
「私静綺が姫岡さんと付き合ってるって聞いた時も何で静綺?と思った…
だって全然お似合いなんかじゃなかったし、姫岡さん芸能人だよ?!」
ぐさぐさと言葉のナイフが胸に刺さる。それは気持ち良い程ハッキリとした本音だろう。
やっぱり傍から見れば私と真央って全然似合っていないんだ。客観的に見た人の評価にがっくしと肩を落としたくなる。
分かってる。分かっていた…。
「でも姫岡さんにはお見通しだった。
あの人は…静綺が真っ直ぐでただただ純粋な人間だって理解してた。
人を貶めて自分を上げるような人間じゃないって気づいてた…。私と譲に言ってきたの。それを聞いて、姫岡さん本気で静綺が好きなんだなーって…。
きちんと静綺の中身を見てくれる人だって」
何…それ?そんなの知らない。
しおりからあの日の一部始終を聞いた。それは初めて聞く事ばかり。
私とたっくんをふたりきりにしてくれて、あの日の恋を終わらせてくれた。けれどその陰でしおりや譲にそんな事を真央が言っていたなんて、私は知らない。
しおりの言葉を聞いて、涙が溢れそうになった。 あの人は不器用で口が悪いけれど、きちんと私を見てくれた人。それを知っていたから私はあの人を好きになった。
「ごめんなさい。友達だと思ってたのに羨ましくって静綺の好きな人を盗るような真似をして…」



