Act Last  この恋だけは終わらせれない。




「しずー。静綺ったらー!」

「何よーお母さん。」

「あんまりゴロゴロしないでよ。掃除の邪魔ッ!今日は午前から大学があるんでしょ?用意しなさいよ」

実家に帰ってきて数日。すっかりと抜け殻と化してた私は今日もリビングで生きる屍になっていた。

長い夏休みが明けて大学が始まったというのに、いつまでも上の空。いつもの日常を取り戻しただけ。真央たちと知り合う前のいつもの自分に戻るだけ、だと思っていたのに…。

こんなに寂しいなんて…。

グリュッグエンターテイメントの寮を出てから、瑠璃さんたちから連絡はあった。昴さんからもあったし、坂上さんからも真央が出演しているテレビのオンエア情報の連絡はあった。

けれど肝心の真央からの連絡は一切無し。当たり前っちゃー当たり前。用事がないのに連絡が来るわけもなくって、それでも携帯の着信が鳴ると、ラインの通知が来ると期待してしまう自分がいて

その期待はことごとく砕け散った。


私達は用事もなく連絡を取り合う間柄ではない。分かってはいたのにどこかで期待している自分が居て、そしてあっという間に22歳の誕生日を迎えてしまう。

「今日は大学休もうかな…」

「はぁ?!何言ってんの?!」

久しぶりに実家に帰ってきたと言うのにお母さんは冷たいし。

「だって…今日は午前中に心理学だけだし。大講堂嫌いだし……」