俺の中に芽生えた大切な気持ちを伝えるのに、理由なんていらない。
突き放されて、嫌われたとしても、どうしても伝えなくちゃいけない言葉があった――。
それを今になって気づかされるなんて、それは遅すぎだ。けれど生きている限り遅すぎる事なんかないんじゃないか?
俺は、静綺が好きだ。
ふわふわの髪で、猫のような目をしていて魔女みたいな鼻をしてて、自分が意地悪そうに見えるって心配してる所も
無愛想に見えて、周りの事ばかり考えているお人好しな所だって
自分をこっぴどく振った男に優しく笑える所も、俺の病気を本気で心配してくれた所も
お前の好きな所を上げだせばキリがない。
口が悪くて素直じゃない所もあるけれど、そんな所だって好きなんだ。
この恋を夏のひと時で終わらせる事は出来ない。
Stay by Side
側に居て。素直になれない俺の不器用な願い。
伝わるかどうかではない。
伝えに行くのだ――。
走り出した想いは秋の気まぐれな大雨に打たれ、それでも止まる事はなかった。
会いに行く。伝えに行くよ。胸に抱えて溢れそうになっているこの想いを、今、伝えに行くから――。