あーー…やっぱり実際見ているとショック大きいな。
りっちゃんはすっかりと皆と馴染んで、楽しそうにプールの中でボールを投げ合っている。
…りっちゃんが嬉しそうで安心したけれど、皆の輪から少しだけ離れて浮き輪でぷかぷかとプールに浮いて、頭を冷やしていた。
岬さんさえいなければ、もっと楽しかったかもしれない。岬さんは何も悪くないのにそんな事を思ってしまう私は性格が悪い。
仲の良さそうなふたりの姿なんて見たくないのに。
「何か元気ないね?」
目の前に昴さんの姿が現れて、心配そうな目をして私を見つめた。
あーー…かっこいい。少し髪が水に濡れていると余計にセクシーだ。
「そんな事ないですよ」
「嘘つけッ」
そう言うと昴さんは私の浮き輪をぐるぐると水の中で回す。
「アハハ、昴さん止めてってば!怖い怖い!私泳げないんですから~」
「やっと笑ってくれた。」
安心したように優しい瞳を見せる昴さんに、気を遣わせてしまった事が申し訳なくって。
せっかくプールを貸し切りにしてくれたんだ。笑顔でいないと。
それに昴さんは私が元気がないのに気が付いて、心配そうな顔をしてくれる。こんなに優しい人に心配を掛けたくない。
「静綺ちゃんやっぱり可愛い」
「もう昴さんは口が巧すぎるッ…」
「本当だよ?さっきも思わず皆に平等に可愛いって言うの忘れてついつい静綺ちゃんしか見えなくなってた。
俺って結構余裕あるタイプだと思ってたんだけどなー……」



