「昴には静綺ちゃんしか見えていないんかねぇ~?」
「いやいや瑠璃さんもさすがのスタイルっすよ。
それに律ちゃんもすっごく可愛い」
その言葉に律は倒れそうになって、慌ててそれを支えた。
その様子を見て豊さんはクスクス笑っていた。
少し遠くに視線を送ると、そこには岬さんに腕を組まれている真央の姿。
ばちりと目が合って、思わず顔が赤くなって目を逸らす。し、心臓が持たない。ちょ、直視出来ないよ。
「お、おう……」
「あ、ああ……」
向かい合って顔を上げると、真央はぐるりと顔を上へ向けて空を見上げる。
「え~?何~?静綺ちゃんと真央ちゃん向かい合って顔を赤くしてんの~?
え~?真央ちゃん照れてんの~?」
からかうように瑠璃さんが言ったら、真央はキッと瑠璃さんを睨みつけ私の方へ「フンッ」と鼻で笑う素振りを見せる。
「全くお前はスタイルが悪いなぁ~?それじゃあ水着が可哀想だろ~?
たくッ見習えよ!」
見習えよって誰をよ!
「なッ。悪かったわね!」
「ほんっとこれだから一般人の水着は見るに堪えない。
さ、俺はプールで泳いでくるか!あちい…今日は暑すぎる。」
捨て台詞を残してくるりと前を向くとプールの方へ駆け出して行った。
「あ!真央待ってよ!」
その後を岬さんはついていくように走り出した。
「ほら見た?アレがあいつの本性よ…」
りっちゃんに小声で言うと、ぷぷっと小さく笑った。



