【完】スキャンダル・ヒロイン


面倒見の良い姉御肌のような所がある彼女は、りっちゃんにも同様にヘアメイクをしてあげていた。

鏡の中にはあの日のように別人のような自分。それは瑠璃さんのお陰だったけれど、少しだけ自信が持てそうな気がした。

まぁその後直ぐに岬さんの姿を見てしまったら、その小さな自信さえ直ぐになくなってしまうんだけど。

プールに行く際にりっちゃんの後ろにずっと隠れていた。
男性陣は既にプールに到着していて、3人で何かを話していた。

「アレはヤバい。ビジュアル最強すぎ……」

りっちゃんが小声で私に耳打ちをする。りっちゃんじゃないけど、思わず鼻血が出そうになった。

こんなまじまじと上半身裸を見た事はなかった。

豊さんは細身だけど手足が長い。無駄な肉なんて体にないんじゃないかって位。

昴さんはほぼ筋トレをした事がないらしいが、筋肉がつきやすい体質らしくすっごくスタイルが良い。服を着ている時はこんなに筋肉質とは思わなかった。

そして…ブルーの水着を着ていた真央の均等の取れている体が眩しすぎて、思わず倒れそうになった。毎日筋トレをして努力をしているのは知っていた。

何回か彼の裸は見た事があったが、太陽の下で見るのはヤバい。ヤバすぎる。そして人の体をじっくり観察している私はもしかしたら変態かもしれない。

「静綺ちゃん水着すっげぇ可愛い。それにアップもやっぱり可愛いね」

昴さんは1番に駆け寄ってきてそう言ってくれた。
思わず照れくさくなってしまう。
私の横で瑠璃さんはニヤニヤ笑いながら昴さんを小突く。