昴さんから告白された事を言ったら、りっちゃんは失神しかけた。そして1番に出た言葉は「羨ましい…」だった。

私だってもしも真央を好きになっていなかったら、この告白に直ぐにOKを出した。尻尾を振って喜んでいたに違いない。私って結構現金な奴だから。

「昴さんにはハッキリ言うよ。」

「何でー…?断っちゃうの?!勿体ないよ」

りっちゃんの言う事は最も。’勿体ない’その言葉は私の中に潜む悪魔が何度も囁いた言葉だ。

「だって……好きでもないのに付き合うなんて失礼だよ。昴さんは素敵な人だし、あんな人に好かれるなんてこの先一生ないと思うし
あぁ無いと思ったらモテ運全部使い果たしてこの先私きっと誰からも好かれる事なんてないんだ…
一生独り身…怖すぎる。」

「そうだと思うんならやっぱり付き合うべきじゃん!顔はかっこいいし背も高くて性格も優しいんでしょ?
その上芸能人でお金も持ってるし、何より自慢できる!」

「私…容姿とかお金持ってるとか自慢できるとかそういう要素で人と付き合いたくない…」

「馬鹿だよ。静綺は…。大馬鹿だ」

「分かってるよ。そんなの」

馬鹿になってしまう位、真央が好きなんだ。

もしかしたら恋愛運をこの夏に全て使い果たして、このまま一生誰からも好かれずに独り…。

もう会えなくなってテレビの中の’姫岡真央’にずっと片思いしたまま、おばさんになってしまうかもしれない。

少なくとも彼は芸能人。この先も画面越しでならば見守っていける。彼が芸能界を引退しない限り生涯見つめていく事は出来る。

そんな事を考えたら再び身震いをしてしまった。 これじゃあ本当にストーカーだ。