Act11  夏の恋の魔法が解ける時。




「静綺は本当にそれでいいの?!」

「いーも何も…私だってこの恋が成就すると思ってるほどおめでたい奴じゃないよ」

「だから言ってたじゃん。姫岡真央は静綺を気に入ってるって!話を聞く限り何も思っていない子にそんな態度取ったりしないじゃん」

本日昴さんがプールを貸し切りにしてくれて、皆で最後の夏らしい事を楽しもうって話になった。

真央が友達でも誘えば?と言ってくれたから、親友のりっちゃんを誘った。水着を取りに1回実家に帰ったため、地元が一緒なりっちゃんと目的地へ一緒に向かう事になる。

その際色々な話をした。真央との進展。そして、昴さんから告白された事も。

「気に入ってるのと好きってのは違うよ。
りっちゃんがいつも言ってる雄太も安浦くんも北原先輩が良い例じゃない。確かに周りの子達に比べたら気に入られてたかもーって感はあったけど…
皆結局それぞれ違う子と付き合ったりしてたじゃんか。結局私ってその程度の存在だったって事だよね」

「それは~~…静綺が相手の気持ちを分かっていながら可愛くない態度取ったり素直になれなかったりしたからじゃん…!」

「だからぁー気に入ってるのと好きだという恋愛感情自体がそもそも種類っつーもんが違うんだってば」

「だからって…せっかく好きになれる人が出来たっていうのに…。
それに大滝昴はどうすんの?!
あのさー…この際大滝昴でも全然いいと思うんだけど?!だってあの大滝昴だよ?!
羨ましすぎるし、超自慢になるよッ」