「もうッお前気持ち悪いなぁ。抱き着くなって!
岬も悪かったね、わざわざ送らせちゃって」

「別にー。真央のこういうの全然慣れてるし~’元カノ’だから平気~」

おぼろげな意識の中で岬には感謝もあったが文句を言いたい気持ちでいっぱいだった。’元カノ’を強調するな。静綺に誤解されたらどうするんだ。

’元カノ’であろうと女と飲んでこんなべろべろに酔っぱらって醜態を晒して、更に幻滅をされてしまう。

静綺と声を掛けようとした瞬間、彼女は苦しそうな顔をして俺から視線を逸らした。

無理やり昴に引っ張られる体。静綺と岬が何か会話しているのが分かる。だけどもう目を瞑ったら意識が吹っ飛んでいってしまいそうだった。



どうして俺はこんなに馬鹿なんだろう。
素直に伝えたい気持ちをひとつも伝えられずに、正反対の行動ばかり。

In love with me

俺は君に恋をしている。君にも同じ気持ちで居て欲しい。
好きなんだ。こんなにも。君しか見えない。
夢の中でならばいくらでも伝えられた言葉だったのに――どうして。