「それはッ!誰もいなくって…人を探していたら…
あの場所が浴室だって知らなかったし!」
「しかもこの俺の顔を殴るなんて正気とは思えねぇな?!」
「それはあなたが失礼な事ばかり言うからでしょう?!」
「ああ?!俺は事実を述べたまでだがな?!」
「大体ファンだのストーカーだの自意識過剰なんじゃないですか?!私、あなたの事なんか知らないし!」
「はぁ?!俺を知らないだと…?お前馬鹿にしてんのか?!」
誰なのよ、あんたは一体。そして何故そこまで偉そうなの…?
私の嫌いな男ランキング1位は生意気な奴だ。例えどれだけ容姿が美しくとも初めて会った人に暴言を吐くなんて失礼すぎない?
礼儀つーもんがあるでしょうが…。
一触即発状態だった。それを止めに入ったのは、山之内さんだった。
「ストーップ…!
真央、あんたは言い過ぎだし口は悪すぎよ。殴られて当然。少しは反省しなさい。
棚橋さん。ごめんなさいね、この子口が悪くて…悪気はあんまりないんだけど」
「はぁ……」
悪気がない?どう見たって悪意みちみちだろう…。
山之内さんはこの男を’真央’と呼んだ。まじまじと男の顔を見ると、男はまるで不服だと言いたげにぎろりとこちらを睨み圧を効かせる。
「まお…?」
「お前ッ。この俺を呼び捨てにするな!失礼だろうが!」
何を…人に散々失礼な事ばかり言っておいて。
「男なのに…まお…?」
そう言うと真央と呼ばれる男は顔を真っ赤にさせて更に怒りを露わにした。



