「けど、小雪とは最近別れたばかりなんだ。だから今は彼女はいないよ。
何か俺って誰にでも優しくってそれが嫌だって振られちゃった」

にこりと微笑みこちらへ視線を向ける。
’彼女’はいなくとも、それなりに遊んでいる女性は沢山いるって事でしょうよ。寧ろこれだけかっこいいんだもん。遊ばれたって良いって思っている女性も多そうだけど。

「それにしても真央ムカつくな~…人の個人情報バラしやがって。
結構小雪とは長く付き合ってたんだけどその頃から芸能人同士付き合うなんて馬鹿みたいだ。とか言ってさ。昴の彼女は嫌いだって。って言ってたなぁ」

あぁ…そう言えばさっき言っていた。

’あんな裏表ある趣味の悪い女と付き合っている昴はどうかと思う’って。と、言う事はあいつ円城寺小雪とも顔馴染みなんだ。それはそれですごいと思うけど。

全然趣味悪くないし、寧ろお似合いだと思う!…別れてしまったってのが勿体ない。もしもふたりが結婚したらどれ程優秀な遺伝子を持った子供が生まれた事か…。

「真央だって芸能人と付き合ってたくせに。人の事になると厳しいんだから」

昴さんのその言葉に手に持っていたDVDが小さな音を立てて、床に落ちる。
自分らしくない。酷く動揺している私がここにいる。

彼女のひとりやふたり居て当たり前でしょーが。モテない訳ない。演技をしている時だって…昴さんに劣らない程魅力的な人だもの。

プライベートでは少し子供っぽい所もあるけれど、そんな彼の姿だって私の知っている一部に過ぎないのかもしれないし。彼女の前ではまた別の姫岡真央の顔があるのかもしれないし