昴さんの出ているドラマや映画は見た事ないけど…。
けれど坂上さんも言っていた天才だって。この人は人たらしな所を全て含めて芸能の神様に選ばれた天才なのだろう。
真央とも違って現場の人間ともそつなくこなして、きっと周りからも人気者なはず。
「静綺ちゃんって俺の出てる映画とかドラマ見た事がある?」
その質問にぎくりとした。
けれど嘘をついて良く見せたって仕方がない事だし。
「ご、ごめんなさい。実はひっとつも見たことなくって…。
寧ろここでバイトを始める前は昴さんの事も全然知らなくって。
あ、あのでもそれは昴さんに知名度がないとかそういう事じゃなくって、私が芸能界について疎いってだけで…!
大丈夫!私の友達にも昴さんのファンは多いです!」
その言葉に昴さんはまたくしゃっとした笑顔を見せて、その場でお腹を抱えて笑い出した。
「あはッ。やっぱり静綺ちゃんって面白いわぁ。まあ自分でもこの1年で結構知名度は上がってきたかなーと思ってたけど、やっぱ俺まだまだだね」
「いえ、ほんとそのような事はなく。今度昴さんの出ている作品を見ようと思っていた所で…!」
「そうなの?じゃあ夕ご飯終わったら俺の部屋においでよ。DVDあげるよ」
「え?!いいんですか?」
「勿論。俺の出演してる作品を見て貰って、俺のファンになってくれたら嬉しいしね」
そう言って、ばちんとウィンクをしてきた。
もう溶けてなくなりそうだった。
勘違いしてしまう女の子たちの気持ちが分かり過ぎるよ~…。



