【完】スキャンダル・ヒロイン


「でも盗ったじゃん。」

「盗ったっていうか、元々私たっくんと付き合ってた訳じゃないからそういうのは盗ったとは言わない…」

「でもお前がたっくんとやらを好きで、自分は譲っていう男と良い感じだったのにわざわざ何でたっくんと付き合うんだ?」

「そんなの私は知らないですよ…!実はしおりもたっくんが好きだったかもしれないじゃないですか」

「へぇー。でもそれでもわざわざお前の好きな男と付き合うなんて嫌な女だな。
気持ち悪い。そういう女大嫌い。
それで花火大会には行くのか?」

「行くわけないです。自分が惨めになる場所にわざわざ行ったってどうしようもないし。
後で断っておきます」

そう言うと姫岡さんは口をへの字にして鋭い目でジーっとこちらを見る。
なんだっつーのよ。大体興味ないでしょう?あなたが言う一般人の色恋沙汰なんか。

私の心の奥底にあった汚い気持ちを…綺麗な言葉で肯定してくれたのは涙が出そうな位嬉しかったけど…ね。

自己評価物凄く低くなっていた所だったし。


その時ソファーに伏せられた携帯を姫岡さんが勝手に奪い取って、何やら文字を打ち始める。
ちょ、勝手に人の携帯に何やってんのよ!そう思って奪い返したが、時すでに遅し。

「返事はしておいたぞ!」

「はい?」

得意げに携帯を掲げる。そしてその文章を見てサーっと血の気が引いていくのが分かった。

『うん行くよ』とたった一言返信がされていた。慌てて携帯を取り上げて送信取り消しをしようと思ったが、既読のマークは直ぐに着いた。