私はしおりを友達として信頼していたし、好きだった。でもかといって数か月ではいそうですかって言ってふたりを温かく見守れるほど優しい人間でもない。
自分の心の狭さが嫌になる。けれど花火大会には絶対に行きたくなかった。何を自分からみすみすと惨めになりにいかなければいけないのだ。
「おい、人の話聞いてんのか?誰だよ、譲。へなちょこな名前しやがって」
「はぁ~」
「人の顔を見てため息を吐くな!失礼だろ」
どーせ馬鹿にされるんだ。お前みたいな女誰にも選ばれないとか言ってさ。
それにしてもしつこい男だ。そんなに人の色恋沙汰に興味があるのか。もうこの際この男に笑われてやろうじゃないか。
そう開き直った私は、たっくんとしおりと譲との間にあった事を姫岡さんに説明した。
「という訳なんですよ。だから花火大会なんか行きたくないんですけどね。
でもこれで行かなかったら私って心の狭い嫌な女になるんでしょうかね」
説明をし終えた後に大笑いされるに違いないと思ったが、それに反して姫岡さんは真剣な眼差しで何かを考え込んでしまった。
いや…こういう時は笑ってくれた方がこっちも楽なんだけど。
だって私がたっくんからも譲からも好かれなくって、しおりはふたりから好かれたのは事実だし。別に譲に関しては好かれたくもなかったけどさ。
何か自分ひとり蚊帳の外みたいで、ひとりで恋をして舞い上がってたなんて馬鹿みたいじゃないか。
「そのたっくんとかいう男、目が悪いんじゃねぇのか?」
大真面目な顔をして、意外な言葉を口にする。そっちの方が驚きだ。



