【完】スキャンダル・ヒロイン


ちょっと見栄を張って彼氏と言ってみる。全然彼氏どころか友達で…友達って言っても微妙な関係な訳だけどさ…。

譲とは一時期毎日のように遊んでいた。たっくんとしおりと譲と4人で…。ほんの数か月前までこの4人でグループ交際が始まると信じてやまなかったのに…。

たっくんがしおりと付き合いだしてぱったりと連絡を取るのは止めた。それを今更………。

「なんて、本当は彼氏じゃないけど、友達?
友達って呼ぶのも微妙な関係だけど…
って…姫岡さん?」

隣の姫岡さんに目を向けると、白目を向いて横たわっていた。口を金魚みたいにぱくぱくと動かして。

けれど彼氏じゃないと否定するとむくりと起き上がり、顔をぱあっと明るくさせて「そうだよな!お前に彼氏なんているわけないもんな!」と声を高らかに言った。

くっそ…ムカつくなー…。ちょっと見栄を張ってみたけど、ますます虚しくなるだけなら止めればいいのに。

「それにしても全く彼氏ではない友達と呼ぶのも微妙な’譲’から何で花火大会のお誘いがあったんだ?」

だから…何で内容まで盗み見してるのよ。気分が悪いと言っているのよ。

そう、姫岡さんの言う通り確かにラインで私は譲から花火大会のお誘いを受けた。大体にしてこの約束は随分前からしていたもので…数か月前に勝手に流れた約束だと思っていた。

たっくんと譲の地元へは昔よく遊びに行っていた。しおりと共に…。