涙の先にあるのは、きっと

「私、こんな顔だったっけ?」

少し、いやかなり疲れたような表情だ。周りの人は生き生きした目をしているのに、私だけが死んでいる。そんな気がした。

きっと周りの人々は、それぞれが守りたい笑顔と、それぞれが描きたい未来を考えながら戦い歩いているんだろう。でも私には、未来も夢もわからない。

街角にはいるべき場所にも私の居場所はない。愛や夢を選んだ強がりを友達に見せて、目指すものを失ったカケラたちが私の中で戦っている。

また涙が出てきた。最近では、ちょっとしたことでも泣いてしまう。この涙が誰かを支えるなんてこと、あるはずがないのに……。

泣きながら歩いて家に帰る。すると、いつもなら電気がついているはずの家が真っ暗だった。嫌な予感がして、私は急いで家の中に入る。

リビングのテーブルの上には、一枚の紙が置かれていた。家族三人で旅行に行ってくるから帰らないって……。私はやっぱり家族じゃないんだ……。

「ううッ!!〜〜〜あぁぁぁぁぁ!!」