涙の先にあるのは、きっと

家族が帰ってくる前日の夜、私は愛ちゃんのお父さんとお母さんとお茶を飲みながら話していた。緊張して眠れなかったんだ。

「……お世話になりました。とても楽しかったです」

この場所からまたあの地獄に帰らなきゃいけない。そう思うと、体が怖くて震えてしまう。その時、私の手を愛ちゃんのお母さんが包んだ。

「亜梨沙ちゃん、提案があるんだけどうちの子にならない?」

「えっ?」

当然の言われた言葉に頭が真っ白になる。この場所にいていいの?あの人たちのところに帰らなくていいの?

「明日、亜梨沙ちゃんのお父さんたちと話すつもりだったんだがどうかな?愛は「亜梨沙ちゃんが家族になるの!?嬉しい!!」って飛び跳ねていたけど」

愛ちゃんのお父さんたちに見つめられる。そんなの、答えは一つしかない。

「家族になりたいです。……お父さん、お母さん」

私がそう言うと、「よろしくね」とお母さんに抱き締められる。お父さんとは握手をした。