「蘭、そんな緊張しなくてもいいよ。ヤクザのところに行くとは言え、海桜さんの旧友だし」 私が緊張しているのを感じ取ったのか菊磨さんはそう後ろから声をかけた。 「……はい」 ……海桜さんの旧友。 一体どんな人なんだろう…… ____…… そして車を家から30分ほど走らせて加護組の事務所の前に着く。 加護組を尋ねるなり私たちは加護組の組長"かえで"さんの前に正座で座らされていた。