パタパタと下に降りると海桜さんはお手伝いさんにジャケットや身の回りのものを渡している最中だった。



「……ん? なあに?みんなおそろいで怖い顔して……なにか私に大事な話があるの?」


「……ああ」



見透かした顔で私たちを見つめる海桜さんの表情に私は怖くなる。


さすがの桜夜くんも少し話すのを躊躇っているような様子だった。



「……なんの話かは大体想像つくような気がするけど。後ろにいるのは橘組の若頭よね?」


「……っ、はい……橘銀河です」



刺さるような目線を銀河に向ける海桜さんに銀河の体は強ばる。