「……」 ギュッと手を握る私の顔を見て、桜夜くんはフッと笑う。 「……そんなこと言われると思ってなかったわ。ありがとう、桜夜くん」 「……いえ」 お母さんはまた涙を袖で拭きながら嬉しそうに笑った。 「それより、光くんに会いに来たんじゃないの? さっき、談話室に行ったわよ」 「お母さん……なんで知って……」 光くんに会いに来たっていうこと言ったっけ……?