「あはは、ごめんね。嬉しくて……こんな立派な子とお付き合いしてるなんてお母さん、蘭のこと誇らしいわ」 「お母さん……」 涙を零しながら笑うお母さんに私まで泣きそうになる。 「桜夜くん」 「はい」 お母さんは涙を袖で拭きながら桜夜くんを見た。 「こんな娘だけどよろしくお願いします……私はこの子を幸せにしてあげられなかったから……」 「……」 何言ってるの、お母さん。 私はお母さんが生きているだけで幸せだというのに。