Flower black




「ありがとう、娘を……蘭を1人から助けてくれて……しかも私たちの借金まで……必ずお金は返しますから……」



……お母さん……


深く桜夜くんに頭を下げるお母さんに胸が傷んだ。


けれど桜夜くんはそんなお母さんにしゃがんで目線を合わせる。



「……蘭さんにも言いましたけど、お金は返さなくていいです。その代わり将来、蘭さんをください」


「……え?」



桜夜くんの言葉にお母さんは驚いた顔をする。


そりゃそうだ。


付き合ってることもお母さんに言ってないのに。