そして上にあがり、バタンっと部屋のドアを閉める。



「はー……ごめんね、蘭。いきなり紹介させちゃって。……てか!桃李が父さんたち来てるって先に連絡してよ!」


「ごめんごめん、そんなことすっかり忘れてた!」



桃李さんはそう言ってヘヘッと笑う。



「だ、大丈夫だよ。少し驚いたけど……」


「ごめんね。父さんにはゆっくり紹介したかったんだけどなー……父さんたちかなり飲んでたし」


「なんか雰囲気的に久しぶりに会ったようだったし、また今度ゆっくり話したいな」


「うん、またゆっくり話をしよう」



桜夜くんはそう言ってニコッと笑った。


香月家の当主だから……忙しいんだろうな。
今日会えたのも奇跡なレベルかもしれない。


少しでも挨拶出来て良かった。