一生ものの恋をあなたと

それに、4月からの勤務先までわかったぞ。
幼稚園の先生か…愛らしいな。
小学校の先生と迷ってたけど、イメージは幼稚園の方が合ってる。
歌、上手いしな。
ピアノも続けてるって言ってた。
しっかり芯が通ってるし、いい先生になるだろう。

「あ、ちなみに、斎…私の弟の婚約者の美央ちゃんも同期よ。68期だわ。
世間は狭いのね〜。」

斎って…確か弟さんは専務だ。
まだ会ったことないけど。

弟さんの婚約者が同期……。
それって、あの愛の親友のことか?
美央って名前、愛から聞いたような…。

いや、焦るな、俺。
これから先は長い。
俺も地元に戻ったばかりだ。
今ここで、下手なことはできない。
少しずつ情報収集だ。

「弟さんって…専務をされてるんですよね?」

「そうなの。
まだまだ若くて、私から見たらぜーんぜん…
あ、今のナシ。
上司の悪口になっちゃう。…フフフ。
若いなりに頑張ってるわ。
今ね、新製品がかなりのヒット商品で、インバウンドのお客さんからも人気なの。
そっちの対応を任せてる。
出張が多いから、本社にはなかなか顔を出せなくて。
今度、紹介するわね。」

これがあの時のキラキラ男なら、完全に繋がる。

「はい。ありがとうございます。」