一生ものの恋をあなたと

そして…
俺は程なくして、雅さんの本名が
“さかのうえみやび” だと言うことを知る。

“さかがみ”と読むことは多々ある。
“さかうえ”も聞いたことはある。
でも“さかのうえ”と読むのは、あまり聞かない。

聞けば、旦那さんは小学校教師だと言う。
しかも、高校からの入学ではあったが、俺の母校の小学部の教師だ。

聞いた時は、ずっと凍りついていた俺の心臓が妙にドキドキし始めているのを感じた。

親族に違いない。
そう思った俺は

「俺も高校からの入学なんですけど、雅さんの旦那さんの勤め先と同じ学校出身なんですよ。」

と言ってみた。
すると雅さんが

「え!そうなの⁉︎
あ、ごめんなさい。
あなたのことはお兄様から沢山話を聞かされてたから、エントリーシートをちゃんと見てなかったわ。
じゃあ、私の後輩じゃないの!」

「あ、そうなんですね。」

……ドキドキする。

「え、何期?」

「俺は、確か68期だったと思います。
卒業アルバムにそう書いてた気が…。」

「68期⁉︎
じゃあ愛ちゃんと同じだわ!
あ、主人の妹なの。
一回り離れててね。
今年、大学卒業で、4月から母校の幼稚園で働くことになってるの。
幼稚園の先生になるのよ。」

…ビンゴだ!

愛、雅さんの義妹だった!