一生ものの恋をあなたと

「蓮、昨夜何があったかはわからない。
でも、お互いが想い合ってたなら、いつか誤解は解ける。
お前さえブレなければ、半年後でも彼女を取り戻せるはずだ。
もちろん、あっちに着いてからも連絡は取ってみろ。
お前の出来る限りのことをやってみろ。
だから、今は行け。」

「…蓮、行きなさい…?」

「……クソっ!」

結局、俺は兄貴に電話番号を伝えることもしなかった。
俺の知らないところで、兄貴と愛が連絡を取ると思っただけで嫌だったんだ。
過ぎた独占欲としか言いようがない。

あの時に、兄貴に託していたら、ひょっとしたら6年もの間すれ違うこともなかったのかもしれない…。
今となってはわからないが……


◇◇



イギリスでの生活は虚無の中を漂っている感じだった。
勉強自体は、淡々とこなしたと思う。
物理的にそれだけ離れると、最初にあった焦る気持ちも凪いでいく。

……ただただ、愛に会いたかった。




◇◇