一生ものの恋をあなたと

「……蓮。
それは、いわゆるハニートラップの一種だ。」

「父さん⁉︎」

心配した親父まで話に入って来た。
母親は黙っているが、俺達の顔を交互に伺って、オロオロしている。

「そんなのは、今後いくらでもあることだ。
…まあ、普通は社会人になってからの話だけどな。
でも、今の話だと、お前はやっかまれたんだ。
ゼミの仲間に。
その馬鹿な准教授のせいで、悪目立ちしてしまったんだろう。
仁、お前、友達選んだ方がいいぞ。」

「……あぁ。申し訳ない。」

だったら…どうしたらいいんだ?
もう、すでにゲートをくぐらないといけない、ギリギリの時間になってる。
愛に連絡がつかない。
タイムオーバーだ。
こんな、何も出来ない無力なものなのか…
俺って……。

「……蓮、どうする?
フライト、延ばすか?」

「……!」

「いや、それはダメだ。
予定通り行きなさい。
ハニートラップを仕掛けたやつらに負けたことになるぞ。
出立の日に被せて仕掛けたんだ。
蓮をイギリスに行かせないことが目的だろう。」

「でも!
このままじゃ愛と半年会えないことになるんだ!愛に誤解させたまま半年⁉︎
あり得ないよ!」

「……愛ちゃんに俺が連絡しようか?
おそらく…お前の番号はブロックされている。」

「……‼︎」

「ねえ、最終案内のアナウンスが入ったわ。
蓮…辛いけど、父さんの言う通りよ。
今は行かないと…。」

母さんまで…