一生ものの恋をあなたと

そう言うわけで、朝倉の御曹司とか言われるようになり、女達がうるさくなっていた。

もちろん俺は愛一筋だから、鬱陶しくて仕方がない。

高校時代と同じく、一切無視していたのだが……。

俺はミスをしてしまったんだ。
兄からも、身の回りには気をつけて、気を緩めるなと言われたところだったのに…。


　

◇◇




壮行会翌日、両親と兄が東京まで送りに来てくれた。
親父にとっては歳をとってからの子供で、基本的に家族は全員俺に過保護だ。
初めての海外留学で心配だったのだろう。

「蓮…お前、酒臭くないか？」

「…あぁ、昨日のゼミの壮行会で、間違えて烏龍ハイを飲んでしまったんだ。
…わざとじゃない。」

「当たり前だ。
お前、未成年なんだぞ。
体調大丈夫か？」

「うん。それは問題ない。
ひたすら眠たかっただけだから。」

昨夜の壮行会で、俺は未成年だから烏龍茶を呑み続けていた。
それが、店員の間違いか、途中から烏龍ハイに替わっていた事に気づかなかったんだ。
味の濃い中華だったからだろう。
結果、眠たくてたまらず、俺はあろうことか、自分の壮行会の席で、爆睡してしまった。

「気付かず飲んだにせよ、気を付けろ。
あっちでそんな事になったら身包み剥がれるぞ。」

「わかってる。
でも、海外の方がアルコールは厳しいから、提供されることなんてないよ。」