お料理はすでにスタンバイされていた。
テーブルいっぱいに並べられるお料理。
これは、花ちゃんがいることを考えて、
なるべく早く帰れるようにと言う配慮だろう。
兄の家族をいつも見てきたからよくかわかる。

「お、それか!
綺麗だな!」

私の左手にお兄さんが気づいた。

「あ、お兄さんがお店に予約を入れてくださったんですよね?
ありがとうございます!
立派なお部屋に通していただきました。」

「いや、偶々、蓮に電話したら今から指輪見に行くって言うからね。
目的が決まっているなら、予約を入れるのは当然だよ。
指輪が決まったら、次のスケジュールにも進めるしね。」


…なんか、似てる?
これは、段取り重視の雅ちゃんにそっくりだ。

なるほど…
だからお兄ちゃんとも合うんだ。

逆に、お兄さんと雅ちゃんとなると、似過ぎていて、疲れちゃうかもしれない。

うん。
葉子さんは見るからにお兄ちゃんタイプの穏やかな人だもんね。

世の中、上手くいってるなぁ。