翌朝━━━━。
初夏の日の出は早い。

カーテンの隙間から差し込んできた朝日で目覚める。


目の前には、大好きな人の寝顔。

私たち、本当に結婚したんだ…。
毎朝、こうして大好きな人の顔を見て起きられる。
寝るときは、彼の腕に包まれて眠れるんだ…。


結婚して初めての朝、ようやく実感がわいてくる。


寝ている彼の額にそっとキスした。

声にならないくらいの小さな声であいさつする。


『おはよう!』


ほとんど声に出てないのに、彼がうっすらと目をあける。


『あれ?陽子?おはよう!』


そう言って、優しく朝のあいさつのように、私にキスをくれる。

寝ぼけたような彼の様子。
でも、いつだって優しさが伝わってくるんだ。

かわいい彼の目覚めたばかりの寝起きの顔。
いつもはカッコいい彼だけど、私だけが知ってる彼の顔。嬉しいな…。


『おはよう!ごめんね、起こしちゃった?』


『ううん、いいよ。もう起きないと…。
でも、あと3分だけ…。こっち、おいで?』


そうして私を再び抱きよせる彼。

幸せを噛みしめ、私は彼にされるままに3分だけ、このまま彼の胸に……。

やっぱり安心する、心地よいここ。
ずっと、ここにこうしていたい……。



しかし、時間は刻一刻と過ぎていく。
結婚式のためにお休みをもらった私たち。
今日から、また出勤だ。


彼の心地よい胸から、そっと抜け出した。