透明な世界で、ただひとつ。



「瑞希は何お願いしたの。」

「ひみつ。こういうのって人に言ったら叶わなくなるんじゃないの?」

「やっぱそうなの?言霊ってのもあるからよくわからないんだけど。」



この国の宗教に対する緩さは不思議なもので、それも良さである面もあるのだろう。

よく言えば寛容、悪くいえば適当。



「おみくじ引こうよ。」

「堺って運強そう。」

「そうでもないよ?」



100円玉を箱に入れておみくじを手探りする。

あまり底の方のは取らずに表面にあるものの少し下のおみくじを手に掴む。



隣の箱から引いていた堺とおみくじを開く。

開いた白い紙には小吉の文字。



「瑞希、なんだった?」

「小吉。

心を誠にし偽りなければ、次第に幸ます。だって。」



その文章に少し心苦しくなった。