透明な世界で、ただひとつ。



「あ、年明けた。」

「え、マジ?」

「マジ。」



年が明けたのに気付いたのも、私がスマホを確認したから。



「あけましておめでとうございます。」

「おめでとうございます。」



2人で揃って頭を下げた。

なんかゆるっと年が明けた気がする。
まあそれも私たちらしい。

年が明けてからもテレビの前で雑談を交わしながら、勉強をしていた。



長いと思っていた6時間もあっという間で、あと少しで日が昇る時間になりベランダに向かった。



「本当は初詣に誘うつもりだったんだけど、風邪ひかれたらよくないからさ。
次は初詣行こ。」

「初詣なら朝行けばいいじゃん。」

「...一緒に年越したかったの。」



かすかに色を持ち始めた空をみつめていた。

また、“見える”世界が来る。
また、見える恐怖を味わうんだ。