透明な世界で、ただひとつ。



クラスの中心の賑やかな人たちの1人。
強いていえば、たいして努力してないのに成績いいんだろう。



その程度の認識だった。

でも、今は違う。



「もう少しあとなら夜景が綺麗なんだろうな。
瑞希がアメリカから帰ってきたらまた乗ろう。」

「そう、だね。」



夜景が綺麗だとか、夜盲の私はわからない。
写真とかでは見たことあるけれど、多分ちょっと違うんだろうなんて思ったり思わなかったり。

それにきっと、堺の考えてる“次”はない。

堺はもう少し遅ければ、と言うけれど私はこれ以上遅いと何も見えない。



「堺、つれてきてくれてありがとね。楽しかった。」



もしかしたら、今日が人生で1番楽しい日だったかもしれない。

目が見えている今までも、見えなくなるこれからも。