透明な世界で、ただひとつ。



他に思い当たることといえば。


「あ、さっきの係員さんの言ったこと?照れるっちゃ照れるけど、楽しまないと損じゃない?」

「まあ、そうだな。」



そう言って笑った堺の耳は赤かった。



「せっかく誘ってもらったのに、堺が変なままじゃいやだよ!」



1度目のジェットコースターが降下する時に私はそう叫んだ。



「ばーか!」



空気をきる轟音の中、私は大声で叫ぶ。

コースターがスピードを緩めた時、堺は噛みころすように笑っていた。



「ばかって、なにそれ。」

「言わせないでよ、こんなこと。」

「瑞希らしくもない。」



そう、らしくもないよこんなこと。

でも、そうさせているのは堺だよ。



「あー、なんかもう吹っ切れた。」

「それはよかった。」



またコースターはスピードを上げていく。