透明な世界で、ただひとつ。



それからロッカーだったり、従業員用の出入口だったりを教わった。



杏子さんは本当に気遣ってくれて、私が目が見えなくなった時のために色々配慮してくれていた。



「この前、色んなところを目隠しして歩いたり出来るお仕事と出来ないお仕事の確認もしたし。

あと、クロックポジションもおぼえたわよ!」



全盲にならなくても、今だってかなり生活に苦労するようになってきて、こんな状態の私を雇ってくれるってだけでも表しきれない感謝で溢れているのに、それなのに。



「本当に、ありがとうございます。」

「え、あ、泣かないで!私何かした、えぇごめんね」

「いえ、本当に本当に。」



最近涙脆くなった気がする。

私も、病気に向き合わなきゃ、これだけ私のことを考えてくれる人に失礼だ。