透明な世界で、ただひとつ。



「私、そろそろ帰るね。」



私は5時を回る前にそう告げて席を立った。



「じゃあ、また明日な。」

「うん、明日ね。」



明日からの試験は、ちょっと特別なものになる、そんな気がした。



「試験終わったら、チーズケーキ食べに来よ。」



たった1人の友達と自分を結ぶあの甘さが恋しくなった。