神様が呪文を唱えていくと、俺の体を無数の光が包み込み始めた。その光は温かくて、だんだん眠くなってしまう。

「神様!その呪文はーーー」

「何!?もう儀式を終えてしまってーーー」

そんな会話が聞こえたけど、俺は眠気には勝てず意識を手放した。



それから時は流れ、俺はほうきに飛び乗って空を飛んでいた。そう、ほうきに乗っている。魔法使いみたいでしょ?だって魔法使いだから!

俺の容姿は、日本人の黒髪黒目ではない。金色の髪に赤い目。名前もアルミン・クルーズという日本人とはかけ離れたものになってしまった。

どうやら、神様は転生させる世界を間違えてしまったらしい。この世界には、俺たちの知る世界の他にもいくつも別の世界が存在し、それぞれの歴史を歩んでいるそうだ。この世界は魔法使いが暮らす世界で、ファンタジー映画のようなもので日常はあふれ返っている。

「アルミン、こんなところにいたのか!」

ふわふわ空の散歩を楽しんでいると、下から声が聞こえてきた。この声はーーー。