「罪を償うっていうなら、俺の杖返せよ」

俺がそう言うと、エルヴィンはすぐに杖を返してくれた。久しぶりに握った杖が懐かしい。きちんと魔法を使えるといいけど……。

「俺はお前を完全に許したわけじゃない。でも、助けに来てくれてありがとな」

俺はエルヴィンにニコリと笑う。笑顔の中には多少の怒りはある。でも、今は笑っていたいんだ。

「……ありがとう」

エルヴィンの瞳が揺れる。エイミーがホッとしたような顔を見せた。しかし、ここはまだ恐ろしい収容所の中だ。

「いたぞ!」

「決して逃すな!!」

収容所の職員たちが現れる。全員戦闘態勢だ。なら、こっちも同じように戦うべきだよね!

「こっちは三人だけど、三人いればこいつらなんて簡単に倒せる!俺たちは魔法学校の生徒なんだから!」

俺はそう言い、久しぶりに魔法を放つ。脱出を賭けた戦いが始まった。



それから一年後、俺は魔法学校の制服を着て今日も学校で学んでいる。一人前の魔法使いにならないとな。