「少年よ、ここはあの世ではない。正確にはあの世とこの世の狭間だ」

「えっ?誰?」

俺は声の聞こえた上を見上げるけど、やはりそこにあるのは白だけ。戸惑う俺に声の主は言った。

「私は神だ。神は神でも転生の神だがな」

「は、はあ……。つまり、俺は死んだってことですね?」

でも死んだなら何であの世じゃなくてこんな中途半端なところにいるんだろう?俺が首を傾げていると、神様が言った。

「誰かの理不尽な暴力で命を落とした者には、特別に早く転生させることが許されるのだよ。君を今から転生させる」

「本当ですか!?なら、来世でも日本人がいいです!」

自分が死んだなど受け止め切れていない。でも、夢じゃないっていうのは自分が一番よくわかってる。なら、グダグダしないで転生してもう一度人生をやり直した方がいい。

「うむ。では、転生の儀を始めよう」

神様はそう言い、ファンタジー映画のような長ったらしい呪文を唱え始める。当然俺には何を言っているのかわからない。