まさのおじいちゃんが帰ってきた。
普通ならここで帰る流れなんだろうけれど
私は変えたくなかった。
だからちょっとずるい手を使った。
まさは帰れ帰れと言ったけれど無理に
帰らせようとはしなかった。

久しぶりに入るまさの部屋は変わってない。
(3ヶ月ぶりか)
前回来たのはホワイトデーだっけ。

「日が長くなったね」
こんな梅雨ど真ん中の6月には似合わない
晴れた空を見ながら私は呟いた。

ここにくると安心する。
自分の家よりも。
永遠にいられるくらい。
まさは眠そうに目を擦っている。
そんな仕草が可愛くて思わず微笑む。
これが毎日だったらいいのにと
どんだけ心の中で叫んだことか。

「制服シワつかない?大丈夫?」
「大丈夫だよ」

そーゆーとこが好きなの。
ちょっとした気遣いがサラッとできるところ…
今さっきもそう。
私を見るなり、スカートが短い!って。
私があぐらで座ってれば角度!って。
彼女だったらサラッと大好きーって
言って抱きしめられるのにって思った。

バスケの話をしたり、学校の話したり。
楽しい時間は刻々とすぎた。