中三の7月という変な時期に転校してきた少女は色んな意味で異質だった。

「東京から転校してきた宮沢恋さんです。
なんか一言ない?」

べっぴんさんだぁと感嘆する声が僅か19人が中三全員というクラスから聞こえてきた。
私もべっぴんさんだなぁと同じ印象を持ったし思わず心惹かれてしまった。
きっとこれが一目惚れとやらなんだろう。

「東京から転校してきた宮沢恋です。中三という微妙な時期からですがどうぞよろしくお願いします」

表情を一切変えず一息で言う姿はまるで女優さんみたいだった。