この世界からの逃避行

「莉子、あのさ」

「…聞いてた。いいよ、あたし陽子と食べるから」

「え、そうじゃなくて」

「あんまり屋上好きじゃないの。」

嘘だ。
長年一緒にいたからそんなのすぐに分かる。
嘘つく時目を逸らす癖、知らないと思ったのだろうか。
ただ好きじゃないと言われている以上、あまり強くも出れず

「わかった」

と渋々了承する。

莉子は恋の事が嫌いなのだろうか。
もやっとした気持ちを抱えつつ自分の席に戻った。