この世界からの逃避行

「深透ちゃん助けてくれてありがとう。」

席に戻ったあと隣から小さくお礼の言葉を言われる。

昨日ぶりだが恋のことをまじまじ見ると改めてべっぴんさんだな、と思った。
艶やかな長い黒髪に陶器のようにつるりと白い肌、ぷっくりと薄紅色の綺麗な唇。
その全てが整って小さな顔配置されており神様は不公平だなぁだなんて。
艶やかな黒髪にうちの学校のセーラー服はとても似合っていて眩しかった。
きっと彼女は何を着たって似合うのだろう。

「恋困ってたみたいだったし。林達も全く困るよねぇ、ごめんね後できつく言っておくから。」

あはは、と見つめていたのを誤魔化すかのように早口でまくしたてる。



莉子がまた不機嫌に私達のことを見つめていたなんて知る由もなかった。