この世界からの逃避行

「宮沢さん、ってさぁ東京から来たんでしょ?」

「は、はいそうです…」

教室の入口で聞こえる林達の声。

「可愛いよね、彼氏とかいるの?」

「ぁ、え、いません…」

明らかに困っている。
眉を下げて泣きそうになっている恋を放っておけず助けに向かう。

「林ぃ、いくら彼女がいないからって転校生にめぇ付けんなよ」

「そうだそうだ〜」

加勢してくれた陽子に感謝した。
まぁこんな戯れだってメンバーが変わらないからできる事だ。

「なんで俺だけなんだよ!!高橋もいるだろ!!」

「あ、ごめん見えなかった」

チビの高橋とのっぽの林。
いつもつるんでいて私と莉子の関係に似ている。
そっと恋がいた辺りを見るがいない。
後ろを見るともう席に座っていた。
私達が話している間にそそくさと逃げたようだ。