12月。
辺りはクリスマスムード。
今日は谷越と女性向けブランドショップに来てた。
周りをプラプラ見てた谷越が俺の方へ歩み寄ってくる。
「決まったー?」
華月にクリスマスプレゼントを買うのに谷越に付き合ってもらい財布を見てた。
『…華月に合うデザインがピンとこない』
「ちゃんとそーゆーの考えてんだー
愛してるねー」
『うるせぇよ』
「政信が使って欲しいやつじゃダメなの?」
『華月に合わんかったら意味ないだろ』
「そーゆーもんなんだ…あ、これは?
華月ゴールド系のアクセよくつけてなかったっけ?」
谷越が選んだやつは白地にゴールドの装飾がついたやつ。
物静かで何考えてるかわからんよーなやつだけど結構女にモテる。
多分こーゆー女が喜びそうな物わかるとこもあるんだろう。
こいつ連れてきて正解だった。
『…あいつガサツだから絶対汚すから黒にする』
その横にあった色違いの財布にした。
理由は8割それだけど、単純に谷越が選んだやつだと俺がプレゼントする意味ないし。
「うん、華月黒系の服着るしこっちのが合ってるね
いいんじゃない」
『あと他にも別のもん買いたいんだけど』
「ピアスは?
ピアス好きでしょ?」
『あいつ金属アレルギー』
「じゃあアクセダメだね」
しばらく迷ってると店員が近寄ってきた。
「お客様、プレゼントをお探しですか?」
『あ、はい
アクセサリー以外で考えてるんですけど』
少し考えてチラッと手元の財布を見る。
「ちょうどそちらの財布と同じデザインのキーケースがございますが、ご覧になりますか?」
『お願いします』
在庫を入れてるであろう棚から取り出し
「お客様運が良いですよ〜
こちらのデザイン大変人気になっておりましてこちらで最後になります」
そう言い差し出される。
この財布とキーケースを持つ華月を簡単に想像できてようやくしっくりきた。
『じゃあこれでお願いします』
ラッピングをしてもらいやっと買い終えた。
「良いのみつかってよかったね
華月喜ぶんじゃない?」
『どーだろーな』
ぶっきらぼうに返すがおそろいのキーホルダーあげただけでめちゃくちゃ喜んでたしな。
反応が楽しみだ。
ーーーー
まだクリスマスまで1週間以上ある日、共通のダチの亜紀とその彼氏と華月がうちに来た。
ベットに座りテレビを見る華月を横目にプレゼントを取り出す。
「お?なんだそれ亜紀にくれんのー?」
『うるせぇ豚は黙っとけ』
座る華月の足に無造作にプレゼントを置く。
『ん』
「え?何これ?」
『クリスマスプレゼント』
一瞬固まり驚いた顔をする。
「ひゅー!プレゼントなんて用意してたんかよ!やるね〜政信〜」
こいついい加減うるさいから無視するか。
「え、だ、だってまだクリスマスじゃないよ」
『当日は会社の飲み会あって多分会えねぇから、いつ渡せるかわかんねぇし』
「うちまだ届いてないよ…」
『は?』
「政信さんのプレゼント」
『あー用意してくれてたんだ、いいよ別に』
「嬉しい…ありがとうぅ…」
とたん泣き出す。
想像以上の反応に驚く。
こんなに喜んでくれると思わなかった。
『おう』
なんでもないように言う。
が、開ける様子がない。
『開けないのかよ』
「あ、あとでね…」
『なんだよそれ』
「1人になってからゆっくり見たいんだもんね〜」
「ちっ違う!けど今は開けれん!」
真っ赤になり頑なに開けない。
せっかくなら見て欲しかったんだけど。
その後華月達が帰ってから華月からLINEがきた。
「超可愛い!ありがとう!
大切に使うね!」
『おう』
その後すぐ亜紀からもLINE。
「可愛いねあれ」
『見してもらったの?』
「Twitterにあげてた」
お互いのTwitterはフォローしてないから知らない。
すぐスクショが送られてきた。
「政信さんからクリスマスプレゼントもらった
超ドストライクの財布とキーケース
それだけで嬉しいのに政信さんがわざわざそれを選んでプレゼントしてくれたことが嬉しい幸せすぎ
死んでも悔いないよ」
ってつぶやきと共に目を真っ赤にしてる華月が財布とキーケース持ってる写真の投稿画面。
俺にそれを言えよ。
つーか開けてまた泣いたんか。
と思いながら笑った。
ーー
数日後泊まりにきた華月。
『なんか荷物多くね?』
「え?あー……うん」
俺を見て一瞬表情を曇らせる。
『どーした?』
「…いや、政信さんネックレス壊れたって言ってなかったっけ」
『あぁ、うん
壊れたからコレ前つけてたやつ』
「そう…」
しばらく黙ったのち
「政信さん遅れちゃってごめんね
はい、クリスマスプレゼント」
『え、マジ?サンキュー!
あけていい?』
「…うん、でも喜んでくれるかわからん」
『気持ちだろ』
あけて華月の表情の理由がわかった。
『おーネックレスじゃん』
俺が新しいの買ったと思ったんか。
こんな顔させたくなかった。
こんなのつけなきゃよかった。
『ちゃんと金アレ防止?』
「うん
ごめんね、ネットでしかなくて
したら写真となんかイメージ違うし
政信さんつけるには細いし短いよね…
マジで気に入らなかったら捨てていいから」
『なんでだよ
ほら、ちょーどいいじゃん!
こんくらいのが欲しかったんだよ!
ありがとな!』
言って頭を撫でる。
「ううん…」
『これいらないからやるよ』
元々つけてたネックレスをつけてやる。
『ちゃんとアレルギーでないやつだから』
「え、ありがとう
でも政信さんからまたもらって悪いよ」
『いらなくなったやつつけてやっただけだから
いらないなら返して』
「や、やだ!」
よかった、笑ってくれた。
プレゼントが入ってた袋に手紙が入ってた。
「ちょ、それはうちいなくなってから見て!」
『なんでだよ、いーだろ俺のもんなんだから』
「政信さんへ
メリークリスマス まだクリスマスじゃないけど
その前に初の記念日だね!
まだ1ヶ月だけどこんなんと付き合ってくれてありがとう
政信さんと一緒にいれてうちは幸せだよ
これからもずっと一緒にいられるといいな
大好きだよ!
華月より」
プレゼントももちろん嬉しかったけどこれはヤバい。
今時わざわざ手紙なんて書くやついるか?
胸が熱くなった。
『華月ー』
布団にもぐって返事をしない。
布団を剥いでハグする。
『本当にありがとう』
「…ううん」
『俺も大好きだよ』
何も言わずうなずく。
愛おしくて仕方なかった。
ーーーー
「いらっしゃい!」
12/25
クリスマス当日。
そして華月と付き合って1ヶ月記念日。
飲み会があったけど初めての記念日だし少しでも会いたかったから華月の実家に顔出した。
『寒いー』
「居間で待ってて!」
半分顔隠しながら出てきた華月はそー言うと部屋に戻ってた。
『おじゃまします』
「政信いらっしゃい」
『すいません家族水入らずなのに』
「いいんだよー」
ママは夕飯の支度をしてた。
パパはサンタの帽子かぶってて居間はクリスマスの装飾がしてあった。
高校生の子供がいてまだこーゆーことをする家ってあるんだと思った。
華月は俺が憧れる家庭でたくさん愛情もらって育ったんだとあらためて実感する。
『パパその帽子どーしたの』
「仕事終わって家の前で着替えたんだよ」
「玄関開けてビックリしちゃった!
その時は服も着てたんだよー」
言いながら幸せそうなママ。
『で、あいつは部屋で何してんの?』
「あープリクラ撮りに行くんでしょ?
化粧してるんじゃないかな」
だから顔隠してたのか。
ほとんど会う時スッピンなのに、今更何を恥ずかしがってんだあいつは。
壁が薄いせいか部屋からは軽快な歌声が聞こえる。
音を立てないように部屋に入ってみると鏡に向かい化粧をしながら歌う華月。
「うぉっ!びっくりした」
振り向き俺に気づくとわざとらしく独り言を言ってる。
歌ってんのバレたの恥ずかしいのかもしれんけどカモフラージュが独り言も恥ずかしいと思うけど。
『早く準備しろよ』
笑うのをこらえて部屋を出る。
…としばらくしてまた歌声が聞こえる。
「どーだった?」
『歌ってた』
「仕事終わってから機嫌良くてずっとあんな調子なんだからー」
俺にはそんな素振り見せないから楽しみにしてくれてることも知らなかった。
「お待たせ!行こ〜」
『おう』
外は一面雪景色。憂鬱になる。
北海道の冬は長い。
『なんでそんな機嫌いいの?』
「だってクリスマスだよー」
『ふーん』
「それより!何の日か覚えてる?」
『知ってます』
「なんだ!1ヶ月だよ!」
『忘れてたのはお前だろ』
「忘れてないもん!」
『どーだか』
クリスマスクリスマスうるさいから忘れてると思ったけど、こいつが忘れるわけないか。
付き合ってから初めてのプリクラ。
俺は別に撮らんくていいけど華月が撮りたそうだったから。
女ってなんでプリクラ好きなんだろ。
写真でよくね?
何枚か撮ってからこっちを見てもじもじしてる。
『なに』
そう言うとキスされた。
「えへへ、チュープリ」
へにゃっと顔を崩し少し照れた顔をする。
『アホか』
笑いながら頭を小突く。
帰るとご馳走が並んでた。
『すげー、これママが全部作ったの?』
「うん」
『こんなん作れるんだ
店でしか買えないと思ってた』
華月の家族とご飯を囲む。
幸せだと心から思った。
楽しい宴もあっという間だった。
『あー飲み会行きたくねえ』
「仕方ないね
政信さん送ってくる!」
バス停までの5分。
華月と手を繋いで歩いた。
いいと言ったのにバス来るまで待つと華月も待ってた。
『仕事あるから次は土曜会おうね』
「うん!気をつけてね!」
バスに乗り、俺が見えなくなるまで華月は手を振ってた。
辺りはクリスマスムード。
今日は谷越と女性向けブランドショップに来てた。
周りをプラプラ見てた谷越が俺の方へ歩み寄ってくる。
「決まったー?」
華月にクリスマスプレゼントを買うのに谷越に付き合ってもらい財布を見てた。
『…華月に合うデザインがピンとこない』
「ちゃんとそーゆーの考えてんだー
愛してるねー」
『うるせぇよ』
「政信が使って欲しいやつじゃダメなの?」
『華月に合わんかったら意味ないだろ』
「そーゆーもんなんだ…あ、これは?
華月ゴールド系のアクセよくつけてなかったっけ?」
谷越が選んだやつは白地にゴールドの装飾がついたやつ。
物静かで何考えてるかわからんよーなやつだけど結構女にモテる。
多分こーゆー女が喜びそうな物わかるとこもあるんだろう。
こいつ連れてきて正解だった。
『…あいつガサツだから絶対汚すから黒にする』
その横にあった色違いの財布にした。
理由は8割それだけど、単純に谷越が選んだやつだと俺がプレゼントする意味ないし。
「うん、華月黒系の服着るしこっちのが合ってるね
いいんじゃない」
『あと他にも別のもん買いたいんだけど』
「ピアスは?
ピアス好きでしょ?」
『あいつ金属アレルギー』
「じゃあアクセダメだね」
しばらく迷ってると店員が近寄ってきた。
「お客様、プレゼントをお探しですか?」
『あ、はい
アクセサリー以外で考えてるんですけど』
少し考えてチラッと手元の財布を見る。
「ちょうどそちらの財布と同じデザインのキーケースがございますが、ご覧になりますか?」
『お願いします』
在庫を入れてるであろう棚から取り出し
「お客様運が良いですよ〜
こちらのデザイン大変人気になっておりましてこちらで最後になります」
そう言い差し出される。
この財布とキーケースを持つ華月を簡単に想像できてようやくしっくりきた。
『じゃあこれでお願いします』
ラッピングをしてもらいやっと買い終えた。
「良いのみつかってよかったね
華月喜ぶんじゃない?」
『どーだろーな』
ぶっきらぼうに返すがおそろいのキーホルダーあげただけでめちゃくちゃ喜んでたしな。
反応が楽しみだ。
ーーーー
まだクリスマスまで1週間以上ある日、共通のダチの亜紀とその彼氏と華月がうちに来た。
ベットに座りテレビを見る華月を横目にプレゼントを取り出す。
「お?なんだそれ亜紀にくれんのー?」
『うるせぇ豚は黙っとけ』
座る華月の足に無造作にプレゼントを置く。
『ん』
「え?何これ?」
『クリスマスプレゼント』
一瞬固まり驚いた顔をする。
「ひゅー!プレゼントなんて用意してたんかよ!やるね〜政信〜」
こいついい加減うるさいから無視するか。
「え、だ、だってまだクリスマスじゃないよ」
『当日は会社の飲み会あって多分会えねぇから、いつ渡せるかわかんねぇし』
「うちまだ届いてないよ…」
『は?』
「政信さんのプレゼント」
『あー用意してくれてたんだ、いいよ別に』
「嬉しい…ありがとうぅ…」
とたん泣き出す。
想像以上の反応に驚く。
こんなに喜んでくれると思わなかった。
『おう』
なんでもないように言う。
が、開ける様子がない。
『開けないのかよ』
「あ、あとでね…」
『なんだよそれ』
「1人になってからゆっくり見たいんだもんね〜」
「ちっ違う!けど今は開けれん!」
真っ赤になり頑なに開けない。
せっかくなら見て欲しかったんだけど。
その後華月達が帰ってから華月からLINEがきた。
「超可愛い!ありがとう!
大切に使うね!」
『おう』
その後すぐ亜紀からもLINE。
「可愛いねあれ」
『見してもらったの?』
「Twitterにあげてた」
お互いのTwitterはフォローしてないから知らない。
すぐスクショが送られてきた。
「政信さんからクリスマスプレゼントもらった
超ドストライクの財布とキーケース
それだけで嬉しいのに政信さんがわざわざそれを選んでプレゼントしてくれたことが嬉しい幸せすぎ
死んでも悔いないよ」
ってつぶやきと共に目を真っ赤にしてる華月が財布とキーケース持ってる写真の投稿画面。
俺にそれを言えよ。
つーか開けてまた泣いたんか。
と思いながら笑った。
ーー
数日後泊まりにきた華月。
『なんか荷物多くね?』
「え?あー……うん」
俺を見て一瞬表情を曇らせる。
『どーした?』
「…いや、政信さんネックレス壊れたって言ってなかったっけ」
『あぁ、うん
壊れたからコレ前つけてたやつ』
「そう…」
しばらく黙ったのち
「政信さん遅れちゃってごめんね
はい、クリスマスプレゼント」
『え、マジ?サンキュー!
あけていい?』
「…うん、でも喜んでくれるかわからん」
『気持ちだろ』
あけて華月の表情の理由がわかった。
『おーネックレスじゃん』
俺が新しいの買ったと思ったんか。
こんな顔させたくなかった。
こんなのつけなきゃよかった。
『ちゃんと金アレ防止?』
「うん
ごめんね、ネットでしかなくて
したら写真となんかイメージ違うし
政信さんつけるには細いし短いよね…
マジで気に入らなかったら捨てていいから」
『なんでだよ
ほら、ちょーどいいじゃん!
こんくらいのが欲しかったんだよ!
ありがとな!』
言って頭を撫でる。
「ううん…」
『これいらないからやるよ』
元々つけてたネックレスをつけてやる。
『ちゃんとアレルギーでないやつだから』
「え、ありがとう
でも政信さんからまたもらって悪いよ」
『いらなくなったやつつけてやっただけだから
いらないなら返して』
「や、やだ!」
よかった、笑ってくれた。
プレゼントが入ってた袋に手紙が入ってた。
「ちょ、それはうちいなくなってから見て!」
『なんでだよ、いーだろ俺のもんなんだから』
「政信さんへ
メリークリスマス まだクリスマスじゃないけど
その前に初の記念日だね!
まだ1ヶ月だけどこんなんと付き合ってくれてありがとう
政信さんと一緒にいれてうちは幸せだよ
これからもずっと一緒にいられるといいな
大好きだよ!
華月より」
プレゼントももちろん嬉しかったけどこれはヤバい。
今時わざわざ手紙なんて書くやついるか?
胸が熱くなった。
『華月ー』
布団にもぐって返事をしない。
布団を剥いでハグする。
『本当にありがとう』
「…ううん」
『俺も大好きだよ』
何も言わずうなずく。
愛おしくて仕方なかった。
ーーーー
「いらっしゃい!」
12/25
クリスマス当日。
そして華月と付き合って1ヶ月記念日。
飲み会があったけど初めての記念日だし少しでも会いたかったから華月の実家に顔出した。
『寒いー』
「居間で待ってて!」
半分顔隠しながら出てきた華月はそー言うと部屋に戻ってた。
『おじゃまします』
「政信いらっしゃい」
『すいません家族水入らずなのに』
「いいんだよー」
ママは夕飯の支度をしてた。
パパはサンタの帽子かぶってて居間はクリスマスの装飾がしてあった。
高校生の子供がいてまだこーゆーことをする家ってあるんだと思った。
華月は俺が憧れる家庭でたくさん愛情もらって育ったんだとあらためて実感する。
『パパその帽子どーしたの』
「仕事終わって家の前で着替えたんだよ」
「玄関開けてビックリしちゃった!
その時は服も着てたんだよー」
言いながら幸せそうなママ。
『で、あいつは部屋で何してんの?』
「あープリクラ撮りに行くんでしょ?
化粧してるんじゃないかな」
だから顔隠してたのか。
ほとんど会う時スッピンなのに、今更何を恥ずかしがってんだあいつは。
壁が薄いせいか部屋からは軽快な歌声が聞こえる。
音を立てないように部屋に入ってみると鏡に向かい化粧をしながら歌う華月。
「うぉっ!びっくりした」
振り向き俺に気づくとわざとらしく独り言を言ってる。
歌ってんのバレたの恥ずかしいのかもしれんけどカモフラージュが独り言も恥ずかしいと思うけど。
『早く準備しろよ』
笑うのをこらえて部屋を出る。
…としばらくしてまた歌声が聞こえる。
「どーだった?」
『歌ってた』
「仕事終わってから機嫌良くてずっとあんな調子なんだからー」
俺にはそんな素振り見せないから楽しみにしてくれてることも知らなかった。
「お待たせ!行こ〜」
『おう』
外は一面雪景色。憂鬱になる。
北海道の冬は長い。
『なんでそんな機嫌いいの?』
「だってクリスマスだよー」
『ふーん』
「それより!何の日か覚えてる?」
『知ってます』
「なんだ!1ヶ月だよ!」
『忘れてたのはお前だろ』
「忘れてないもん!」
『どーだか』
クリスマスクリスマスうるさいから忘れてると思ったけど、こいつが忘れるわけないか。
付き合ってから初めてのプリクラ。
俺は別に撮らんくていいけど華月が撮りたそうだったから。
女ってなんでプリクラ好きなんだろ。
写真でよくね?
何枚か撮ってからこっちを見てもじもじしてる。
『なに』
そう言うとキスされた。
「えへへ、チュープリ」
へにゃっと顔を崩し少し照れた顔をする。
『アホか』
笑いながら頭を小突く。
帰るとご馳走が並んでた。
『すげー、これママが全部作ったの?』
「うん」
『こんなん作れるんだ
店でしか買えないと思ってた』
華月の家族とご飯を囲む。
幸せだと心から思った。
楽しい宴もあっという間だった。
『あー飲み会行きたくねえ』
「仕方ないね
政信さん送ってくる!」
バス停までの5分。
華月と手を繋いで歩いた。
いいと言ったのにバス来るまで待つと華月も待ってた。
『仕事あるから次は土曜会おうね』
「うん!気をつけてね!」
バスに乗り、俺が見えなくなるまで華月は手を振ってた。
